母親がいない俺にとってはたざわ子は妹であり母のような存在だった。
妹のくせにあいつは、家の家事を一人で切り盛りし、俺や親父の世話をしている。
俺が風邪をこじらせた時も、あいつは付きっ切りで看病してくれた。
兄としてみたら俺は失格かもしれない。いつもたざわ子に心配ばかりかけて…。
それでも、アイツはいつも笑ってこう言うんだ。
「いいんだよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんは、私にとって大切な人だもん」
そんなたざわ子に、俺は次第に惹かれていった。
それが兄と妹という許されざる関係だと知っていても…。
兄「ただいまー」
たざわ子「おかえりお兄ちゃん。ご飯できてるよー」
兄「おーいつも悪いねぇ、出来のいい妹をもって兄は幸せだよ。このまま嫁にほしいくらいだ」
たざわ子「もー、バカなこといってないで早く手あらってきなさい!」
兄「はいはい、まったく妹なのに妹らしくないぞぉお前は」
たざわ子「誰のせいでこうなったと思ってるのよぉー、もう!」
兄「あれ? 今日は親父いないの?」
たざわ子「もー、今日からお父さん1週間出張だっていってたでしょ。聞いてなかったの?」
兄「あーそういえば、そんなこといってたよーな…」
たざわ子「まったくぅ、いっつもそうなんだから! だいたいお兄ちゃんはねぇ…」
兄「ごめんごめん、反省してますって。それよりご飯たべたいなぁ」
たざわ子「ふぅ…まぁいっか。ご飯はどれくらいー? 大盛りー?」
兄「たざわ子の手料理ですから、もちろん大盛りで!」
そうか…、親父はいないのか…。
俺の中で蓋をして押さえつけていた気持ちが、蓋を押し上げてあふれそうになっていた。
たざわ子「おにーちゃーん、テレビ見てだらだらしてないでお風呂はいっちゃってよー」
兄「はーい、そうだたざわ子。たまには一緒に入るか?」
たざわ子「んもぅ、バカいってないで早くいってらっしゃい!」
バサッとタオルを投げつけられたので、そそくさと俺は風呂へ向かった。
兄「はぁ…落ち着け俺。あいつは妹だ。妹だぞぉっと」
たざわ子と2人きりということで、自分でも舞い上がってるのがわかった。
頭から湯船に突っ込んで気を引き締めなおした。
兄「ぷはぁーっ」
たざわ子「…何してるの? お兄ちゃん」
兄「いやぁちょっと舞い上がっちゃってたなぁと…ってたざわ子! なんで!?」
たざわ子「一緒に入ろうっていったのはお兄ちゃんじゃなーい。ひっどーい」
兄「い、いや、だってあれはジョークで、お前だってバカいってないでって…」
たざわ子「背中流すくらいならしてあげるよぉ。いつもお世話になってますからね♪」
兄「あぅ…あぉ…はい、お願いします」
たざわ子「うふふっ、自分から誘っておいて照れるんだから。お兄ちゃんカワイイ」
兄「はぁー兄の威厳ってものがまったくないなぁ俺」
たざわ子「お客さまぁ? かゆいところはございませんかー?」
兄「美容院じゃないんだから…」
たざわ子「もぅ、ノリわるいなー。はい、背中おしまい! 前むいて」
兄「いや…その…前は…いいよ」
たざわ子「ん? どしたの? 遠慮しなくてもいいんだよ?」
兄「そうだ! 逆に俺がお前の背中流してやるよ! な、そうしよう!」
たざわ子「えっ、そう? んー、んじゃお願いしちゃおうっかな」
いわゆる生理現象を隠すために提案したのだが、コレが逆効果だと俺が気づくのはすぐだった。
たざわ子「…んっ…はぁ…もう、なんだかくすぐったいよぉー…ひゃんっ」
兄「…」
たざわ子「お兄ちゃん? 無言だとなんか怖いよぉ…んくっ…」
兄「…おしまい」
たざわ子「えー、ちゃんとやってよぉー」
兄「おしまいったらおしまい! 湯船につかって10数えたらでるぞ!」
たざわ子「やですー。前もちゃんと洗ってくださーい。お兄ちゃんから言い出したんだから責任とってよね」
右手をとられたかと思うと、スポンジと水枕を足したような、やわらかい感触に包まれた。
兄「ちょ…何してんだよたざわ子!」
たざわ子「はぅ…ほら…ちゃんと…んっ…前も洗って…おにいちゃん…」
兄「ままま、まてまてまて。俺は兄だけど、それと同時に男でもあるんだぞ!」
たざわ子「んっ…だから…洗ってほしいって…ふぁ…いってるの…」
兄「たざわ子…」
目を閉じてうっとりとした表情を浮かべる目の前にいる女性が、妹ということも忘れて
俺はゆっくりとその唇に近づいて…
たざわ子「ヘクチュン! ふぁー、冷えちゃったみたい。湯船はいろ♪はいろ♪」
兄「あ…あぁ…」
絶妙のタイミングのくしゃみで腰を折られ、毒気を抜かれたようになってしまった。
いいのやら、悪いのやら…。
それからは特に何事もなく、俺は部屋にもどって天井を見上げていた。
兄「あぁぁーあいつめぇー俺の気持ちを知ってか知らないでか…」
たざわ子「おにーちゃーん? おきてるぅ?」
兄「な…どした?」
たざわ子「入ってもいい?」
兄「あぁ…」
たざわ子「ねぇねぇ、たまには一緒に寝てもいい?」
兄「どうしたんだよ? 今日は別に怖いテレビやってなかったろ?」
たざわ子「別にいいでしょー、今日はお兄ちゃんと一緒に寝たいのぉー」
兄(こいつ…風呂場の件もう忘れてるのかな…こっちはおかげで色々大変だっつーのに…)
たざわ子「いいでしょ? お兄ちゃん」
答えを聞く前に、妹は俺のベッドに無防備に体を投げ出していた。
兄「おまえなぁー、パジャマの隙間からブラ見えてるぞ…」
たざわ子「へるもんじゃないしいーのっ。お兄ちゃんになら見られても別にいいし」
兄「…」
たざわ子「いいんだよ…お兄ちゃん。お兄ちゃんは…私にとって大切な人…だから」
妹…いや、たざわ子はそういうと瞳を閉じていた。
俺は、もう防波堤では抑えきれない濁流となってたざわ子の口内に流れ込んでいった。
たざわ子「んんっ…クチュ…ぷはぁっ…はぁ…はぁ…おにいちゃん…」
兄「いいんだな、たざわ子…」
たざわ子「ん…いいよ…お兄ちゃん…きて…」
たざわ子の下は、すでに床上浸水していた。
俺はゆっくりとオールを漕ぐボートのように、たざわ子へと入っていった。
たざわ子「あっ…はぁん…お兄ちゃん…」
兄「くっ…たざわ子の中…流れがきつい…」
たざわ子「お兄ちゃん…あっ…ひゃぁんっ…たざわ子…あふれちゃうよぅ…」
兄「たざわ子! たざわ子!」
たざわ子「お兄ちゃん! たざわ子…もう…はぁん…らめぇぇ溢れて洪水になっちゃうぅぅーーっ!」
俺の船首からシャンパンがあふれ出て、俺たちの進水式は終わった。
兄「はぁぁ…」
たざわ子「どうしたの? お兄ちゃん」
兄「あぁぁぁ我慢できなかったとはいえ、実の妹と…はぁぁ…俺は兄貴失格だ…」
たざわ子「あー…お兄ちゃんは知らなかったんだ…」
兄「んん? 何のこと?」
たざわ子「私ね、入学の手続きのときにお父さんと一緒に市役所まで書類そろえにいった時に見たんだ」
兄「な…なにを?」
たざわ子「戸籍謄本。実はね、私とお兄ちゃんって血はつながってないんだよ」
兄「えっえぇぇーー!?」
たざわ子「だから、お兄ちゃんは別に後ろめたいことなんかなんだよ。私もお兄ちゃんのこと好きだからしたんだし…」
兄「そ…そうだったのか…。いや、俺もずーっと前からたざわ子のこと…好きだったよ…」
たざわ子「ふふっそれじゃ何も問題ないよね。嬉しい!」
兄「しっかし、親父にはなんて言おうかな…」
たざわ子「そうだねぇ…帰ってきたらとりあえず報告はしないとね。しっかりお願いねお兄ちゃん♪」
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田沢湖は日本一の水深を誇るがその成因は謎に包まれているそうだ。
つまりは、情が深く優しい。そして、実は血がつながっていない義理の妹。
という設定で書いてみました。以上。